2000年より 進行性の重度の歯周病によって破壊された歯周組織;歯槽骨・歯根膜の再生にEmdogainを用いて再生治療を行っております。
2000年当時は、Gore-Tex膜を用いたGTR法がありましたが、膜の設置・除去など手術が2回必要など、適応症例が限られておりました。
Emdogainは膜の設置の必要がなく、一度に複数歯に行うことができるなど、患者様の負担が少なくて済むだけでなく、細胞レベルで組織再生を行う、画期的な治療法です。
tissue regeneration
エムドゲイン®ゲルは、歯周治療における歯周組織再生環境を提供します。
歯周組織に存在する各細胞に対し、創傷治癒環境を提供するブタ歯胚組織を使用した歯周組織再生用材料です。

作用機序の仮説

1.根面清掃後に骨欠損を満たすようにエムドゲイン®ゲルを塗布します。
2.アメロジェニンが歯根表面にマトリックスの層を形成します。
3.フィブリンと赤血球による血液凝固(血餅)の形成。肉芽組織の置換。(再生のためのスペース)

4.歯周組織、血液から間葉系細胞が誘導されます。
5.間葉系細胞から特異的なサイトカインと増殖因子(GF)が分泌され、再生に必要な細胞の増殖・分化を促します。エムドゲイン®ゲルによる上皮細胞の増殖抑制活性は、上皮の根尖方向への埋入を防ぎます。
6.セメント芽細胞が誘導・分化し、セメントマトリックスが形成され、コラーゲンの太い束からなる歯根膜線維が伸張します。

7.新セメント層が厚みを増し無細胞セメント質を形成します。歯根膜線維が歯根表面に定着します。
8.新しい歯周組織が骨の欠損部分を埋めます。セメント質、歯根膜を形成します。
9.歯根表面と欠損部分に新しい歯槽骨が作られます。生物学的幅径(biological width)の相互作用より歯槽骨を形成。骨芽細胞が活性化され欠損部を歯槽骨で満たします。